神戸市生物多様性シンポジウム

『外来種と向き合う人々−外来種対策の活動事例と課題−』のパネルディスカッションに参加しました

 10月1日(土)に、神戸市の相楽園にて、生物多様性シンポジウムが開催されました。当プロジェクトもパネルディスカッションに副代表の荒木が参加し、 外来種対策の活動事例として秋吉台での「草原の復元作業」について報告し、パネルディスカッションを行いました。



 まず、基調講演は滋賀県立琵琶湖博物館・専門学芸員の中井克樹氏でした。外来種がはびこるともともと日本にいる生物が影響を受けることを、琵琶湖のブラックバスやオオバナミズキンバイ等の外来種を事例にわかりやすく説明していただきました。

 また、「生物多様性はその土地の歴史が作り上げた自然遺産」だから大事だということや、外来種の根絶を目指すよりは、むしろ「制御」を目標にした方がいい場合もあるということでした。当プロジェクトの復元作業はまさに、セイタカアワダチソウを「制御」し、秋吉台の歴史が作り上げた草原の生態系を取り戻そうをするものですので、とても共感できました。























 休憩中に行われたパネル展示では、アカミミガメの駆除や、在来のカメの生態を調べた高校生の発表が秀逸でした。たくさんの来場者が高校生と活発に交流をしていました。










































 最後はパネルディスカッションです。神戸市内、名古屋、そして秋吉台からの事例報告がありました。アカミミガメの駆除の様子や、アメリカザリガニの個体数のデータ、都市部の河川で見つかったアリゲーターガーの様子などが紹介され、各地での積極的な取り組みを知ることができました。

 植物をテーマにした取り組みは当プロジェクトのみでした。いろいろな方から、地道に継続していくことが大事だということがわかったというコメントをいただきました。また、「駆除」したセイタカアワダチソウも地元の畑で資源として使っていることや、効果がしっかり現れている調査データにも評価をいただきました。
























 神戸市では今後、植物の外来種対策を進める予定だそうです。対象とする植物の種類や周辺の環境によっても対策が違ってくるとは思いますが、作業をする人の姿勢や考え方は共通しているので、今後とも情報交換ができればと思いました。


(文責:副代表 荒木陽子)








(神戸市 環境局 環境保全部 自然環境共生課 提供)