秋吉台草原ふれあいプロジェクトhttp://akiyoshidai.org/Akiyoshisogen-pj/Main_Page.html

2014

 

 本年度より、「草原の復元プロジェクト」に関わる土壌分析には、山口大学農学部の藤間研究室のご協力をいただくことになりました。


 2015年2月5日(木)、山口大学農学部生物資源環境科学科の卒業論文発表会が開かれ、当プロジェクトの「草原の復元作業地」の土壌を分析した結果が発表されました。



























 草原の復元作業地の土壌は、2009年、2011年、2013年と一年おきに分析を行っており、今回は2013年の結果を中心に発表されました。


 草刈り後に刈った草を持ち出している『刈りあり持出区』では、他の『刈りあり放置区』や『刈なし区』に比べて、pHが低くなり、植物には有害であるアルミニウムが多くなっていました。可給態リンや硝酸態窒素といった栄養分も、カルシウムやマグネシウム、カリウムなどの塩類も少なくなっていることがわかり、2009年や2011年時点よりも貧栄養になっていました。


 この復元作業地に繁茂するセイタカアワダチソウを中心とする外来植物は、pHが高く、栄養が多い土壌を好みます。したがって、草を刈って持ちだしている作業で土壌は貧栄養化し、外来植物が繁茂しにくい環境に徐々に変化していることがわかりました。


 発表は以下のコメントで締めくくられました。

  『植生をみると依然としてセイタカアワダチソウは優勢で、草原の

  環境にもどるには長い時間がかかると思われます。プロジェクトは

  これからも長く取り組みを続けていかなくてはなりません。』



 今年で7年目になる復元作業ですが、土壌の理化学性にも作業の効果が確かめられ、非常にうれしく思いました。ただ、高下さんのおっしゃるように、作業はまだ長く続けていかなくてはなりません。あらためて、気の引き締まる思いでした。


 高下さん、藤間先生、どうもありがとうございました。

草原の復元作業地の土壌分析が卒業論文のテーマに

(山口大学農学部 藤間研究室)

タイトル
 「秋吉台における、在来植生回復のための異なる刈り取り処理が
  土壌の理化学性にあたえる影響」
発表者
  4年 高下 竜太郎 氏